2015年 05月 21日
前回からの続きです。食物アレルギーと湿疹皮膚炎との関連が言われてきたのはここ5,6年のことでしょうか。特にブレイクスルーとなったのは2008年にイギリスの小児科医であるLack先生が、仮説として「二重抗原暴露仮説」を提唱してからでしょう。難しい話になりそうなのでとっても簡単にまとめると、食物アレルギーは食べることで覚える(感作)されるのではなく、皮膚から触れることで覚える(感作する)ということです。逆に、それらを食べることは食物アレルギーの予防になるかもしれないという仮説です(下図:J ALLERGY CLIN IMMUNOL June 2008より引用)。 【以前】 赤ちゃん:2歳ぐらい腸が強くなるまで中止 妊婦、授乳中の母親:なるべくなら止めた方が良いかもしれません。 【現在】 赤ちゃん:どうぞ離乳食から始めてください。食べた方が食物アレルギーになりにくいですよ。 妊婦、授乳中の母親:関係ありませんのでどうぞ。 と言う感じです。ガラッと変わるものです。この仮説をある意味、社会的検証をしてしまったのが、「茶のしずく石けん」事件です。石けん成分に小麦成分が入っており、同石けんで顔を何度も洗った結果、小麦成分の一部が皮膚と反応(感作)し、小麦の食物アレルギーを発症してしまった事件であります。 Lack先生の仮説がすべて正しいかどうかについてはこれから時間をかけて検証していくと思われますが、少なくとも、乳幼児期のスキンケアはとても大切なことが分かると思います。 あとあくまでも私的見解ですが、食べ物使った美容クリームや、美容パックの材料(キュウリ?キウイ?レモン???)として使用するのは感作する可能性があるためとても危険ではないかと思います。また、乳幼児の玩具の一つである粘土で舐めても大丈夫な小麦粘土もあります。これも控えるのが良いのではないかと思っております。これはあくまで私的見解ですので。それではまた不定期に更新します。
by kajihifuka
| 2015-05-21 07:39
| アレルギー関連
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